【社会】漫画村プロと電子書籍について少し考えてみる
画像元:Amazon商品ページ
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「漫画が無料で読める」という触れ込みのサイト「漫画村」。
今更言うまでもなく、商業漫画を著作権者に無断で公開している、海賊版サイトです。
違法です。故にリンクは貼りません。
その漫画村が、近日有料サービスを開始するというニュースがネット界隈をざわつかせています。
その名も「漫画村プロ」。
今回はこの問題と、理想的な電子書籍について考えていきます。
なお、当記事は漫画村プロの利用を推奨しているわけではないということは念のため明記しておきます。
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まずは「漫画村プロ」についての解説。
月額利用料と引き換えに、広告除去やzipダウンロード、サーバー負荷軽減といった各種機能を利用できるらしい。
これに対して、
●盗人猛々しい
●これに個人情報渡すとか怖い
●最後に荒稼ぎしてトンズラする準備では?
といった声が聞こえていますが、まったくその通りだと思います。
まずは漫画村の何がいけないのかについておさらい。
一番は作者や出版社に利益が還元されないという点で、作者や出版社が得るべき利益を泥棒がかすめ取っている形になっています。
作者や出版社が利益を得られないとどうなるか。
作者は新作が書けなく(描けなく)なります。
出版社は事業を続けられなくなります。
作者に利益が還元されないならブックオフとかの「中古」はどうなんだという話ですが、これは公に認められています。
中古本をスキャンとかコピーしたものを売ってたらアウトですが、中古本そのものを売ることに違法性は現在ありません。
なので、中古の本を買うことに罪悪感を覚える必要は特に無いです。
また漫画村プロについては、支払いに伴う問題があります。
ああいったサイトにクレジットカード情報やその他の個人情報を渡してしまうとどうなるかは、まあ大体想像がつくんじゃないかと思います。
得体の知れない業者から手紙が届いたり電話がかかってきたり、もっと重大な犯罪に巻き込まれたりといったことも考えられます。
ですので個人的な考えとして、絶対に利用すべきでないと断言します。
繰り返しになりますが、これははっきりと申し上げておきます。
ですがその一方、この漫画村プロ、ユーザーの需要というものをよく分かっているという声も聞こえます。
もちろん違法でもいいからタダで読ませろとかは論外として、買ったものを自由にダウンロードしたりコピーしたりするのは出来て当然だと思うんですよね…。(それを公開したらアウトですが)
※ただし、購入後に自由にDL可能なデジタル商品はちゃんと存在します。漫画も。
漫画村はいわゆる海賊版ですが、電子書籍はその「公式」に当たります。
そもそも電子書籍が生まれた背景も海賊版サイトへの対抗策であったと言われています。
でも、電子書籍って不便なんですよね。色々と。
その点漫画村プロは違法であるがゆえの柔軟性があります。
●購入した書籍を読むには
○電子書籍…専用ビューワーやアプリを立ち上げて読んでね
○漫画村プロ…zipで自由にダウンロードできます
Kindleとかたまに問題になりますけど、あれでもマシな方です。
●価格(月額制の場合)
○電子書籍…公開期間は一定、DL不可
○漫画村プロ…月額料金を支払えば(消されていなければ)読み放題、DLも自由
これも一概には言えませんが、月額制を採用している電子書籍はそういう所が多い気がします。
そもそも「レンタル」に近い形なので仕方無い面はあります。
また、個別販売制と月額制は完全に別物なのでそもそも比べることが間違いです。
●公開停止について
○電子書籍…事情により予告なく公開停止や仕様変更することがあります。返金は無い
○漫画村プロ…元から違法なのでそういう事もあります
ソシャゲ等でもたまに問題になる要素。
電子書籍は購入した商品が後から大人の事情で公開停止したり、一部差し替えがあったり、またはサービス自体が終了して無くなってしまうリスクがあります。
そして、それまでにかけたお金や時間は帰ってきません。電子書籍は違法サイトではないのにです。
せめて返金があればいいのですが。
全体的に、電子書籍には「DLしたものをアップロードされる懸念」に基づく不便さがあるような気がします。
もちろんそういう問題はありますが、正直な話、読む機能を制限する必要は無いんじゃないかと私は思っています。
なぜなら「購入した著作物を、個人で楽しむ範疇を超えて公開する行為(アップロード)」は完全に違法だからです。
現在の法律では海賊版のアップロードもダウンロードも違法ですが、アップロードはより厳しく取り締まられる傾向にあります。
リスクが高いのに敢えて違法アップロードをするような人は、機能が制限されていようが抜け穴を見つけてやるでしょう。
もっと単純に言えば、「自分が金出して買った物を、見ず知らずの他人がタダで読めるとか悔しくない?そんな事するバカいる?」という話です。
もちろんいるんでしょう。承認欲求のために。
ですがそういう人は結局、捕まるか、賠償請求されるか、それでも相手にされないかのどれかになると思います。
広告収入目当てでやる人もいるのでしょうが、リスクが高いです。
で、結局どういう電子書籍なら満足なの?という話です。
「月額1000円ぐらいでありとあらゆる漫画がいつでも読める公式サイト」のような物があればいいのですが、そんな都合のいい物は実現不可能でしょう。
※ただし、登録されている作品を無料で読める上に作者への還元もあるサイトは存在します。
(→参考:マンガ図書館Z https://www.mangaz.com/)
ここまでの要素を踏まえながら、欲しい要素を挙げていきます。
●作者に利益が還元される。
大前提。この要素を満たしていないサービスはたとえ合法であっても利用すべきではありません。
極端な話、作者に利益が還元されるなら無料でもいいわけで、上述のマンガ図書館Zが運営される根拠にもなっています。
●公開停止などに対する補償がある。
大人の事情で購入物が「消失」や「劣化」した場合、まだ読んでいない場合は全額返金。
既読の場合は一部返金。
●ダウンロードを自由にする。
ユーザーの良心を信じて利便性を重視する。
公開は違法であり罰せられるということを周知する必要はある。
●アカウントを4人ぐらいまで共有できる。
例えば離れた場所にいる家族で同時に接続できるような機能を付ける。
私はあまりピンと来ないのですが、そういう需要はあるようです。
何より読みやすさが重要だと思う。
まとめ
漫画は買ってもいいし、公式に認められているものなら無料で読んでもいい。
中古やレンタルは紙の本であれば認められているので、その点で遠慮することはない。
海賊版はやめとけ。
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